慟哭の彼方
「リイア!」
手紙を最後まで読み終える前に、階下から父の声が響いた。
びくびくしながらリビングに足を進めると、彼らは仏頂面のままで対峙していた。
事の発端は何だったろう。
もうそれすら忘れてしまったし、彼らだって覚えてはいないのだろう。
「リイア、もし私たちが離婚することになるとしたら、お前はどっちを選ぶ?」
ぐるぐる、ぐるぐる。
どうしてこんなことになったんだ。
あたし、何も悪いことしてない。
いつの間にか始まっていたことなの。