きゅんきゅん同盟
第1章(教育実習1日目)
長い階段を上ると、そこにあるのが私の母校。
何年ぶりだろう。
この階段を3年間いろんな想いで登った。
友達とけんかしちゃった日も、
告白してフラれちゃった日も。
毎朝変わらず、私を迎えてくれた。
あの頃と何も変わっていない。
大好きだった学校なのに、卒業して一度も遊びに来たことがなかった。
中庭のうさぎも、まだ元気でホッとした。
ここのうさぎは、クローバーが大好きだった。
昼休みに、よく購買で買ったパンとクローバーをあげていたことを思い出す。
高台にあるこの高校は、風が強い日は海の香りがする。
風に乗って、遠い場所からさざなみが聞こえる。