きゅんきゅん同盟
「隠し子だったら?お前もしかして落ち込んでたの?」
やんちゃな笑顔で覗きこむ陸の顔、この顔も好きなんだ。
「別に落ち込んでなんかないもん!!!ちょっと、気になっただけ。」
バレてるよね…
青になった信号を見つめながら歩き出す私の顔をまだ覗きこむ陸。
「あっそ。まぁ、落ち込んでたって顔に書いてあるけどな。くくくく……」
「からかわないでよ!!陸のいじわる!!教習生だけど、いちおう先生なんだから!!」
強い風が吹く。
陸のピアスが輝く。
「すいません、先生!!でも、先生が生徒を陸って呼んでるけど、これはOK?」
急に生徒らしく、背筋を伸ばした。
「あ…ダメだよね。でも、陸が呼べって言うから呼んでるのに。」
「あははは!2人の時だけならいいじゃん?じゃあ、俺もまこって呼んでいい?」
体が熱い。
顔も熱くなる。
自分が夢の中で願っていたことがどんどん現実になっていく。
どんどん近付く陸との距離。
いいの?
生徒とこんなにも親しくなって…
許されるの?この恋…
その気持ちとは反対に言葉は走り出す。
「うん!2人の時だけね!陸!!」
「おう!了解、まこ!」
嬉しくて楽しくて、キュンキュンが止まらなくて、ニヤけっぱなしだった。