きゅんきゅん同盟
「お前ならそう言うと思ってた。もし、お前がその時職員室にいたら、きっと城山を殴ってるだろうな。」
陸は、私の頭をそっと撫でた。
本当にそうだよ…
私、その場にいたら自分で自分が止められなかったと思う。
「姉貴は、朝はコンビニで働いて、昼は近所のクリーニングでパートして、週の半分に夜働いてる。ラクして稼いでるわけじゃねぇし、一人で子供育てる為に頑張ってんだ。」
陸の視線の先には、お姉さんとかえでちゃんがいるような気がした。
優しい目をしてる。
車のライトが陸の顔を照らす。
大人っぽい顔。
いろんな経験をして、
人の痛みや苦しみを知って、
陸は早く大人になっちゃったんだ。