きゅんきゅん同盟


あまりの顔の近さに、心臓が物凄い音を立てた。


聞こえてしまうんじゃないかって真剣に心配になるくらいの音。



顔真っ赤になって、鼻血が出てるかも知れない。




「わり~、顔打った?大丈夫?」



そう言いながら私の顔をもう一度覗きこむ、優しい笑顔。


その時の、くりくりっとしたかわいい瞳。




間近で見ちゃったんだ。


まつげも、

まだ薄いヒゲも、

ほっぺのニキビも。




そして、知ってしまった。



彼の香り…


石鹸のような、


何かの香水のような、


男っぽい香りが私の心の奥をくすぐるんだ。





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