きゅんきゅん同盟
「私ね、中学の頃にお父さん死んじゃったの。今でも、毎日思い出すんだ。すごく優しい笑顔で、大きな背中だった。私も、実は陸のこと、お父さんに似てるって思ってたんだ。」
陸はクリッとした目で私を見た。
普段はそんなに大きくない目だけれど、見開くと結構大きくてかわいい目。
「そうだったんだ・・・お前、苦労してんだな。」
陸は、包み込むような表情で私を見つめたまま、歩くのをやめた。
「俺が、お父さんに似てるの?俺、年下なのにな。まこのお父さんは、相当かっこよかったんだな!!」
立ち止まった陸は、私の頭に勢い良く手を乗せた。
これも、お父さんを思い出すんだ。