きゅんきゅん同盟
お父さんに話したかったこと、
お父さんへの感謝の気持ち、
いっぱいいっぱい聞いてもらった。
陸は、優しく相槌をうつ。
「ごめんね…いっぱい話聞いてもらって、ありがと。」
「俺でよければいつでもどーぞ!お父さんのかわりになって、お前を抱っこでも何でもしてやるよ。」
陸はちょっと照れた表情で、胸を張って、微笑んだ。
嬉しかった。
本当に本当に嬉しかった。
もう一人で泣かなくていいんだって思うと・・・嬉し涙が溢れた。
「私、本当はずっと寂しかったんだ。でも、お母さんはもっと寂しかったと思う。だから、お母さんに寂しいって言えなかった。元気なフリしなきゃって思ってた。」
陸は自転車を止めて、私のことをゆっくりと抱きしめた。
「まこ、今までよく頑張ったね。俺をお父さんだと思って泣いていいよ。」
低い陸の声に包まれて、心から満たされる気持ちになった。
「お父さん・・・お父さん、私のこと…いつも見守ってくれててありがと…。お父さん、私…お父さんの子供に生まれて・・・・・・ほんとに幸せだよ。お父さん大好き・・・・・・」
子供のようにいっぱい泣いた。
陸は何も言わないで、優しく私を包んでくれていた。
外はもう真っ暗で、どこかの犬の鳴き声が響いていた。