きゅんきゅん同盟

お父さんに話したかったこと、

お父さんへの感謝の気持ち、

いっぱいいっぱい聞いてもらった。



陸は、優しく相槌をうつ。



「ごめんね…いっぱい話聞いてもらって、ありがと。」




「俺でよければいつでもどーぞ!お父さんのかわりになって、お前を抱っこでも何でもしてやるよ。」



陸はちょっと照れた表情で、胸を張って、微笑んだ。



嬉しかった。


本当に本当に嬉しかった。



もう一人で泣かなくていいんだって思うと・・・嬉し涙が溢れた。




「私、本当はずっと寂しかったんだ。でも、お母さんはもっと寂しかったと思う。だから、お母さんに寂しいって言えなかった。元気なフリしなきゃって思ってた。」



陸は自転車を止めて、私のことをゆっくりと抱きしめた。



「まこ、今までよく頑張ったね。俺をお父さんだと思って泣いていいよ。」




低い陸の声に包まれて、心から満たされる気持ちになった。




「お父さん・・・お父さん、私のこと…いつも見守ってくれててありがと…。お父さん、私…お父さんの子供に生まれて・・・・・・ほんとに幸せだよ。お父さん大好き・・・・・・」



子供のようにいっぱい泣いた。

陸は何も言わないで、優しく私を包んでくれていた。



外はもう真っ暗で、どこかの犬の鳴き声が響いていた。






< 125 / 258 >

この作品をシェア

pagetop