きゅんきゅん同盟
「神崎君がどう思ってるかは神崎君にしかわからないの。勝手に想像して悩んで一人で泣いててもそれは独りよがりって言うの。」
先生は、落ち着いた口調でゆっくりと話してくれた。
その声を聞いていると少しずつ、気持ちが穏やかになってゆく。
先生は、続けた。
「教師と生徒だから恋しちゃいけないなんて、私だってわかってた。でも、抑えられないときもあるの。一生に一度くらいちょっと道を踏み外すのも悪くないって思ったわ。里中先生は、まだ神崎君に気持ちも伝えてないんでしょ?そんなに悩むことないわ。だって、心の中は自由なのよ。」
カーテンがちぎれるくらい勢い良く、そこから飛び出して、私は先生に抱きついた。
「私、怖い。これでさよならなんかしたくない。でも、高校生は高校生と楽しく恋愛するほうが幸せだもん。私、あきらめるしかないのかな。」
もう頭の中ぐちゃぐちゃで、さっきから何を言ってるのかわからない。
「また、勝手に想像して!!神崎君の幸せをあなたが決めてどうするの!とにかく、来週またいらっしゃい。神崎君も連れて。」
はれた目を冷やし、2時間目から授業に戻った。