きゅんきゅん同盟


「ごめんね。また噂になると迷惑かけるから!!」


この会話をしている時点で、周囲の視線を感じていた。


噂を知っている女子達がコソコソと私と陸を見ながら話す。



状況を理解した陸は、ため息ついた。


「そっか。なんか迷惑かけてごめんな。俺を助けてくれただけなのに。サンキューな!」

また大好きだと思ってしまう笑顔をくれた。



陸の『サンキューな』が好きだ。


その時の笑顔も好きだ。


好きだからこそ、この気持ちは自分の胸の中だけにしまっておこう。



教室では、みんなが陸の机に集まり、笑い声が響いていた。

陸の存在が教室の中の空気を明るく、楽しく、変えている。




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