きゅんきゅん同盟
第20章(演技)
翌日、学校へ向かう足がいつもより重かった。
見上げた空も私の心のように、薄暗く、雲も動こうとしない。
教室の扉が冷たく感じた。
教室が怖いと思ったことは今までなかった。
教室に入ることが怖いって、こんなにも辛いことなんだ。
いじめの辛さ、教室の扉の重さを知った私は、
この経験を胸の奥にしっかりと刻んだ。
いじめを受けている生徒は、校門をくぐるのがどんなに不安なんだろう。
教室へ入ることがどれだけ勇気のいることなんだろう。
誰も『おはよう』って言ってくれないって、物凄く怖い。
自分が透明人間みたいに、誰からも見えていないんじゃないかと、恐ろしくなる。