きゅんきゅん同盟
レナは、さっきよりも勢いのなくなった声で、言う。
「なんだ…そうなんだ。誤解してた。ゴメン。でも多分神崎のこと好きだよ、この人。」
同じ人を好きな者同士、やっぱりわかってしまうのかな~なんて妙に感心したりして。
嘘はキライだけど嘘が必要な時もある。
「私、彼氏いるし。高校生を恋愛対象になんて見れないよ。」
なるべく、陸に聞こえないよう小さな声で言った。
でも、静まり返った教室の中で、
聞こえないように言うことなんて不可能で…
私の声は教室に響く。
「レナ、お前もっと大人になれよ!まこたん、俺らの為に今までどれだけ自分を犠牲にしてきたと思ってんだよ!」
龍之介は、盛り上げ役でもあり、面白いだけじゃなく、頼りにもなる。
説得力のある龍之介の言葉に、レナは黙り込んだ。
「ハイ、一件落着!!」
陸の一言で、教室は平穏を取り戻した。