きゅんきゅん同盟


たった一人の教室。


薄暗い外の景色を見ながら、ここでの思い出を振り返る。


消し忘れたままの黒板には、6時間目に陸が書いた数学の答えが残っていた。

男らしい字。

好きってすごいね。


何もかもが素敵に見えて、特別になってしまう。

陸が座っている席だけは、他の席とは違うんだ。




陸のことばかり思い出してしまう。





ガラ………!!




教室の扉を開く人影。




「あ、あのさ!!」





陸だった。


息を切らした陸が、扉に手をかけたまま私を見ていた。




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