きゅんきゅん同盟
「泣いてたこと、誰にも言わないで!!」
レナは、また新しい顔を見せた。
いじわるだった顔でもなく、幸せそうに陸の隣にいる顔でもなく…
大人びた顔、でもとても悲しい顔で、無理して笑った。
「うん、誰にも言わないよ。大丈夫?」
近付くことも躊躇させるような空気だった。
だから、私は机2つ分の間隔を保ったまま、話していた。
「私、わかってるんだ。神崎が私のこと好きじゃないってこと。無理して彼氏してくれてることも、気付いてる。でも、離したくないんだ。それでも、あいつのそばにいたいんだ。」
レナの本音を聞いて、私の心の中のレナがまた変化した。
切ない恋心は痛いほどよくわかる。
相手が自分を好きでないと知っていても、そばにいたいと願う気持ち。
それは恋をした女の子ならみんなわかるよね。
レナ、無理して幸せそうな彼女を演じてたんだ。