きゅんきゅん同盟
2人でこうして話すのはとても久しぶりだった。
緊張して、何を話していいのかわからなくて、ただ陸の姿を目で追っていた。
「陸、まだ帰ってなかったの?」
ぎこちない空気に耐え切れず、話しかけた。
『陸』って呼んだ私に、陸は少し照れ臭そうに笑う。
「ああ、お前の話聞いてみんなでバスケしてたんだ。今の時間はもう戻らないんだもんな。今しか楽しめないことをいっぱい楽しもうと思ってさ。」
陸は、私がさっき結んだ体育館シューズを手に持ち、席に座った。
まだ…話せるんだ。
陸、もっとここにいて。
「そうだったんだ。昨日も今日も熱くなりすぎちゃって…自分でもちょっと恥ずかしかったんだけど。みんな引いてたらどうしようかと思ったよ。」
私は開けた窓をゆっくりと閉めた。
なんだか、この2人きりの空間を誰にも知られたくないって思った。
最初で最後かも知れないこの2人の時間を大事に心の中に刻んでおきたかった。
「ははは!!お前、エッチエッチって連発してたもんな!!最高だったよ!」
顔をくしゃくしゃにして笑うその笑顔にキュンキュンが止まらない。