きゅんきゅん同盟


レナのピアノ伴奏で、クラスのみんなが歌を歌ってくれた。


卒業式で歌ったことのある歌で、歌詞が切なくて泣きそうになった。


歌っている生徒の顔をしっかりと見つめた。



どの生徒も私は忘れない。

私の『最初の生徒』だもん。



大事な大事な生徒。



陸は、天井に向かって大きな声で歌っていた。


高校生の男子がこんなにも真剣に歌を歌ってくれたことが嬉しかった。



全員と握手をして、私からの手紙を渡した。


たくさんの生徒が泣いてくれた。


私も泣いた。


このクラスの担当になれて、本当に良かった!


みんなに出会えて本当に良かった。



レナは握手した手をなかなか離さなかった。


「まこたん、私、別れちゃった。神崎はまこたんのこと好きだと思うよ。私、これからは自分を愛してくれる人と付き合うの。龍が、好きだって言ってくれたんだ。ゆっくりだけど、好きになれたらいいなって思う。だからまこたんも頑張って!」



龍之介、良かったね。


レナも、山瀬さんも、みんなみんな、幸せになってね。


みんな一生懸命生きてるんだって私には伝わってるよ。


不器用だけど、精一杯恋をして、高校生の今を生きてるんだ。





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