きゅんきゅん同盟
「おはようございます。今日は、私が授業をさせていただきます。」
ドキドキの1時間目がやってきた。
一番後ろの気になる視線。
神崎陸、また外を見てる。
一度見ると目が離せなくなる彼の横顔。
少し悲しげな瞳。
黒板に書く文字が、私の自信のなさを表していた。
細く、薄い文字。
まっすぐに書こうと思っても、右上がりになって、なぜかまっすぐ書けない。
今まで教わってきた自分の先生の黒板の文字を思い出し、尊敬してしまう。
チョークを握ると、背中への視線が気になる。
誰も笑っていないのに、誰かが笑っているんじゃないか…なんて不安になる。
これが、私の人生初の授業。