きゅんきゅん同盟
緊張で手が震えそうになると、神崎陸を見た。
彼のあくびしている顔や、
ペン回しをする手を見ていると安心した。
不思議と緊張が解けた。
授業も後半に入り、徐々に落ち着いてきた。
「誰かこのページを、読んでくれる人いますか?」
高校生にもなれば、手をあげてくれる生徒なんているわけない…か。
「じゃあ、今日は3日なので出席番号3番の人!」
ベタな当て方…
昔から、学校の先生と言えば、日にちで生徒を当てることが多かった。
「え~、俺かよ。先生、今日はカラオケ行く?」
飯島龍之介、このクラスのお調子者で、いつも笑いを提供してくれる子。
どうして、覚えてるかっていうと、神崎陸の友達だから。
何度も「りく~」って呼ぶ龍之介の声にドキドキしていた。