きゅんきゅん同盟


緊張で手が震えそうになると、神崎陸を見た。


彼のあくびしている顔や、

ペン回しをする手を見ていると安心した。



不思議と緊張が解けた。



授業も後半に入り、徐々に落ち着いてきた。



「誰かこのページを、読んでくれる人いますか?」



高校生にもなれば、手をあげてくれる生徒なんているわけない…か。



「じゃあ、今日は3日なので出席番号3番の人!」



ベタな当て方…

昔から、学校の先生と言えば、日にちで生徒を当てることが多かった。



「え~、俺かよ。先生、今日はカラオケ行く?」



飯島龍之介、このクラスのお調子者で、いつも笑いを提供してくれる子。



どうして、覚えてるかっていうと、神崎陸の友達だから。


何度も「りく~」って呼ぶ龍之介の声にドキドキしていた。


< 25 / 258 >

この作品をシェア

pagetop