きゅんきゅん同盟
『陸、ありがと。でも、すごい発想だね。ケータイ番号聞くほうがよっぽど簡単なのに。』
私は、携帯を耳に押し付けて、陸のどんな声も聞き逃さないように耳を澄ました。
小さなため息や、ふふふって笑う息までもが聞こえた。
『わかってねーな!とにかく、俺…今すっげー不便なの!返してケータイ!』
学校の公衆電話からかけているようで、10円玉が落ちる音がした。
自分で入れたんでしょ?と言うと、陸はまこが俺を忘れて帰るからだろ?とすねた声を出した。
陸の携帯は真っ黒で、シンプルで陸らしかった。
『とにかく!!早く返して!俺すっげー不便だから。今から学校まで来れる?体育館裏に集合な。』
一方的に電話を切った陸。