きゅんきゅん同盟
担当するクラスは、3年生。
2年生のクラスを担当することが多いと聞いていたから驚いた。
たまたまそのクラスの担任の先生が、当時私の担任だったから、私を引き受けてくれたんだ。
教室は、懐かしい匂いがした。
長らく遠ざかっていた懐かしい青春の匂い。
「今日から、教育実習をさせて頂く、里中まこです。みなさんに助けてもらうこともたくさんあると思いますが、どうかよろしくお願いします。」
ひ…ひやぁ…
教卓の上のノートが汗で濡れてしまうくらい、私は緊張していた。
後ろの黒板に書かれたみんなの落書きを見つめながら、気持ちを落ち着けようと努力した。
きっと、このクラスは良いクラス。
後ろの黒板には、『スキ』とか『LOVE』とか幸せになる言葉ばかりが書かれていて、誰かの悪口や、人を不快にするような事は書かれていなかった。