きゅんきゅん同盟


担当するクラスは、3年生。


2年生のクラスを担当することが多いと聞いていたから驚いた。

たまたまそのクラスの担任の先生が、当時私の担任だったから、私を引き受けてくれたんだ。


教室は、懐かしい匂いがした。

長らく遠ざかっていた懐かしい青春の匂い。



「今日から、教育実習をさせて頂く、里中まこです。みなさんに助けてもらうこともたくさんあると思いますが、どうかよろしくお願いします。」


ひ…ひやぁ…

教卓の上のノートが汗で濡れてしまうくらい、私は緊張していた。


後ろの黒板に書かれたみんなの落書きを見つめながら、気持ちを落ち着けようと努力した。


きっと、このクラスは良いクラス。


後ろの黒板には、『スキ』とか『LOVE』とか幸せになる言葉ばかりが書かれていて、誰かの悪口や、人を不快にするような事は書かれていなかった。




< 3 / 258 >

この作品をシェア

pagetop