きゅんきゅん同盟
二大アイドルという響きに胸が躍ると共に複雑な気持ちになる。
「あ、もしかして、一人は飯島龍之介かな?」
アイドルって呼ばれそうな生徒は、彼くらいだった。
「あ!そうそう、そんな名前。そのもう一人が神崎陸って言ってたような??」
モヤモヤした気持ちが心の中で膨らんだ。
あんなに一瞬で私の心を奪ったくらいだから、モテるに決まってるよね。
「えーーー!ちょっと、へこむ。アイドルなんだ。」
心とはウラハラに軽い口調でそう言った。
「ちょっと情報収集しとくね。意外と女子と仲良くなったから聞いておくよ!」
知りたいような知りたくないような不思議なこの気持ち。
深く知りたいのに、知ってしまうと、この芽生えたばかりの恋は消さなくてはいけないような予感がした。
薄々は気付いてるけど、認めたくなかった。
きっと、彼には彼女がいる。
がっちりとした体格と、優しい笑顔。
モテないわけがない。
自転車の鍵についてた…くまさん。
あれは、どうみても彼女からのプレゼント…だよね。