きゅんきゅん同盟


ハッとした瞬間には、もう取り返しのつかない空気が漂っていた。



しまった。




今、一瞬

神崎陸のこと、頭から抜けてしまっていた。



興奮して真っ赤になって怒ってる姿を見られてしまった。



振り向く生徒達の視線が、私から離れることはなかった。



静まり返る教室。


城山の広いおでこには、血管が浮き出ていた。


私の教師への夢も、絶たれてしまうのか。






「前から俺も思ってたんだよ。城山先生、セクハラ発言多いよ!」




沈黙を破ってくれたのは…誰?



声の方向に視線を移す前に、その声が誰なのか、わかってしまう。



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