きゅんきゅん同盟


ざわつく教室を見回す城山先生は、引きつった顔をしていた。


「いや、本当に申し訳ない。僕の発言で誤解を生んでしまったようだ。今後、気をつけるから、どうかあまり広めないでほしい。」


この状況になっても、『広めないで』なんて周りの目を気にする城山先生。


謝り方に不満が残るけど、私もこれ以上言ったらやばい。



我慢我慢。



結局、この人は反省なんてしていない。


校長やPTAにバレるのが怖いだけ。


この城山って人は、世間体とか出世とかそんなものの為に働いてるんだ。


教師という名のサラリーマン。


生徒と向き合い、心の中を知ろうなんて、そんな気持ちは最初からないんだ。



人間としても、教師としても、私はこの人を軽蔑する。


高校生の心がどれだけ繊細か、傷付きやすいか、きっと知らないんだ。


もう、忘れてしまったんだ。





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