きゅんきゅん同盟
授業が終わり、城山先生に謝りに行った。
自分が間違っていたなんて思わないけれど、実習生として、お世話になっている先生に反抗したことだけは、謝るべきだった。
別に点数なんてどうでもいい。
私を憎んで、最低の点数をつけられたとしても、私は今日の事を後悔したりはしない。
出すぎた真似をしてしまいましたと、城山先生に頭を下げた。
城山は、君は面白いね!と、私のほっぺを触った。
気持ち悪い!!!
私のほっぺを触るなんて、神崎陸しかダメなの!!
その日の放課後、クラスのみんなが私の周りに集まってきた。
どの生徒もの顔がキラキラとしていた。
「まこたん、やるじゃん!俺もスッキリしたよ!!」
龍之介が、まこたんなんて呼んだもんだから…
「ほんとほんと!おしとやかそうに見えてすごい迫力だだったよね!まこたん!」
「最高!まこたん!!」
みんな私のことを親しみを込めて、『まこたん』って呼び出した。
「城山のじじい、まじウザイの!目つきやらしいし!」
「アイツ、他のクラスでも相当嫌われてるからな。PTAでも問題になったことあったし。」
「誰かが言わないと気付かないんだよ。担任に言っても、結局城山にびびって何もしてくれないもん。よく言ってくれた、まこたん!」
「まこたん、あたし憧れちゃう~!」
輪から少し離れた所にいる神崎陸は、
こっちの話を聞いているのか聞いていないのかわからない表情をしていた。