きゅんきゅん同盟
私、ああいう大人になりたくないんだ。
教師のくせに、生徒を見下して、自分が偉いと思ってるようなやつ。
自分より上の立場の人間には、ヘラヘラして。
間違ったことが許せなくて、テレビのニュースや新聞を読んでは悔しくて、涙を流すような子供だった。
小学校4年の時のこと。
家の近所に大きなマンションが建つ計画が持ち上がった。
小さい頃から毎日通っていた近所の駄菓子屋さんがつぶされると言う噂が広まった。
その噂は本当で、毎日店の前に男の人が立っていた。
人の心の中を見ようとしない大人が大勢で、駄菓子屋のおばあちゃんを囲んでいた。
私は、小学生ながら
「お金で何でも解決できると思わないで。おばあちゃんがどんな思いでここのお店頑張ってたか知らないくせに!!」
そう叫びながら、汚い大人たちの中に突進していったっけ。
結局、駄菓子屋さんつぶされたけど、クラスのみんなでおばあちゃんのお店の絵を描いてプレゼントした。
涙を流して、おばあちゃんは喜んでくれた。
「忘れないよ・・」って。
私達も、忘れない。
いつも駄菓子屋の中でお菓子を選ぶ私達の頭を撫でてくれたおばあちゃんのこと。