きゅんきゅん同盟
クラスの女子が恋愛相談に来た。
クラスでも一番派手で目立つ存在のレナ。
「まこたん、友達以上恋人未満って関係を打破する方法教えてよ~!」
キラキラのマニキュアにシルバーの指輪、指輪とおそろいのピアス。
モデルかと思うくらいのスタイルの良さ。
「レナちゃんでも、そんな悩みあるんだ?」
率直にそう思った。
こんなかわいい子を、恋人未満にするなんてぜいたくなヤツ。
「あたし、ダメなんだよね。好きな人には振り向いてもらえないの。」
レナは、茶色い巻き髪を指に絡めて、ため息をついた。
「告白したの?」
私の質問に、またため息をつくレナ。
「はっきりはしてないけど、絶対気づいてる。何回も電話かけたり、ご飯誘ったりしてるからさ!」
恋なんて簡単に、ゲームのようにできそうな子だって思ってた。
そんな風に見てしまっていた自分が情けない。
みんなかわいい。
本当に純粋で、一生懸命。
外見で判断するって本当にしちゃいけないことだと思う。
話してみて、山瀬さんもレナもすごくいい子だってわかった。
担任の先生の最初の話じゃ、2人とも問題児扱いだった。
レナのこと、『放課後は援助交際でもやってそうな子』だと言っていた。
話してみたらわかる。
自分のクラスの生徒をそんな風に言う教師ってどうなんだろう。
城山も、うちの担任も、生徒とちゃんと向き合ってない。
これを文字通り『反面教師』って言うんだな。