きゅんきゅん同盟


神崎陸は、今日もまた遅刻。


2時間目の授業に10分遅れてきた神崎陸は、私の席の後ろ通り過ぎるときに、


私の頭に 

トントンって…!!



人差し指で、私の頭を叩いた。



誰にも気付かれないように、さりげなく。

2人だけの秘密の出来事。



真っ赤になってドキドキしてる私に、気づいてるのか気づいてないのか、

少し微笑んだような表情で席につく。




席についた神崎陸は、ノートに何か書いて、私に見せた。



ん??



『きのうは、よくやった』


だって。




乱暴なその文字は彼らしく、また私は彼を好きになる。



うんうんってうなずいた私に、神崎陸も同じようにうんうんって首を縦に振る。


笑っちゃった私を見て、神崎陸も下を向いて笑いを堪える。



ねぇ、神崎陸。


どうしてそんなに、きゅんきゅんさせるの?



女の子の気持ちわかるのかな、って思っちゃうくらいに、

恋する女の子のときめくツボ押さえてるよ。





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