きゅんきゅん同盟
「ういっす!里中まこ!」
少しはねた髪、
伸びたヒゲ、
この前見たにきびはもう治っていた。
今日も素敵な神崎陸。
いつもと変わらない様子。
手紙を入れたのは誰?
あなたじゃないの?
「おはよ、神崎陸。今日は遅刻じゃないの?」
ニヤっと笑う。
「明日は遅刻だよ。ちょっと隠し子の面倒見なくちゃいけなくてな!」
え?
絶対に冗談なのに、冗談に思えないのは、涼子の神崎情報のせいだろう。
「隠し子って誰にも言わないから隠し子って言うんだよ。隠してないから隠し子じゃないじゃん。」
動揺を隠すように、冷たく言った私。
「お前だけに教えたの。わかってね~な~!」
またそんなセリフ。
お前だけ。
お前だけって言った?
年下なのに、
私はいちおう『先生』なのに…