きゅんきゅん同盟
「誰が言いだしっぺなの~?」
ちょっと怒ったをフリをしてみる。
実は、もうどうでもいいっていうか、神崎陸に抱きしめられて、
悲しかったことも怒っていたことも忘れちゃってたんだ。
「違うクラスの奴なんだけど、まこたんが学校に来た日からまこたんのこと狙ってたらしくて。半分本気であの手紙を入れたらしいんだ。でも、みんなに話してしまってあんな風にいたずらっぽくなっちゃって、泣かせてしまって反省してた。」
おでこを指でぽりぽりとかきながら話す龍之介の誠意が伝わる。
な~んだ。そうだったんだ。
でも、何の接点もない人が私を狙ってるなんて、怖いような気もしてくる。
「おわびに、カラオケいかね??」
おでこをかいていた指を私に向けて、満面の笑みで言う。
「ばか!」
龍之介の頭を軽く叩く。
横で聞いているのか聞いていないのかわからない表情で座っていた神崎陸。
立ち上がり、私の前に来た。
そして、頭を下げて…
「俺も叩いて…」
なんて言うんだ。