きゅんきゅん同盟

かわいい。



少し痛んだ茶色い髪。


耳にかけていた髪がサラリと落ちて、顔を隠す。




叩くフリをして、私は彼の頭を撫でてみた。



髪の毛は見た目よりも柔らかくて気持ち良い。



『だいすき』って心の中でつぶやいた。




顔を上げた神崎陸ったら、すんごいかわいい笑顔をくれた。


その表情もまた『神崎陸コレクション』に加えられる。



きっと、殿堂入りしちゃうくらいに、私の大好きな表情だった。




「へへへ。ありがと。じゃ~、また明日な!里中まこ!」



鞄を肩にかついで、かっこよく教室を出る。



「あ、明日遅刻しないように!!」


叫んだ私に、左手を高く上げて答えた神崎陸。



毎日毎日好きになる。


知れば知るほど好きになってしまう。




< 72 / 258 >

この作品をシェア

pagetop