きゅんきゅん同盟
かわいい。
少し痛んだ茶色い髪。
耳にかけていた髪がサラリと落ちて、顔を隠す。
叩くフリをして、私は彼の頭を撫でてみた。
髪の毛は見た目よりも柔らかくて気持ち良い。
『だいすき』って心の中でつぶやいた。
顔を上げた神崎陸ったら、すんごいかわいい笑顔をくれた。
その表情もまた『神崎陸コレクション』に加えられる。
きっと、殿堂入りしちゃうくらいに、私の大好きな表情だった。
「へへへ。ありがと。じゃ~、また明日な!里中まこ!」
鞄を肩にかついで、かっこよく教室を出る。
「あ、明日遅刻しないように!!」
叫んだ私に、左手を高く上げて答えた神崎陸。
毎日毎日好きになる。
知れば知るほど好きになってしまう。