きゅんきゅん同盟
次の休み時間に、わざわざあのトイレに行った。
少し教室から離れた場所にある人の少ないトイレ。
神崎陸に抱きしめられたあの感触がはっきりと思い出せる。
自分で自分の頬に触れた。
少し熱い頬は、鏡で見ると赤くなっていた。
恋してるんだ、私。
「お~~~い!里中まこ!またうんこ?」
何度も何度も思い出した大好きな声が私を呼ぶ。
「ちょっと…なんでここにいるのよ!!」
本当は嬉しいのに、恥ずかしくて意地を張る。
いたずらっぽく笑いながら私を見る神崎陸がいた。
昨日の余韻に浸ってたこと…バレちゃったかな。
「声かけようと思ったら、急に歩き出したからついて来た。」
ポケットに手を突っ込んだまま、壁にもたれる姿が様になる。
「エッチ!!」
「あはは!!くくく…お前へんなヤツ!お前の中ではトイレってエッチなの?」
きゅんとさせるその笑顔、その声。
あんたの全部にときめいてる私に気付いてる?