きゅんきゅん同盟
私の右手、まだ陸の手に包まれたままで、そのぬくもりが体中に染み込んでくる。
体温が上がっていくのがわかる。
「ごめんね、もう授業始まってるよ。」
保健室の丸い壁掛時計を指差した私の人差し指を陸が捕まえる。
私の指先をつまんだ陸は、ゆっくりとその指を陸のひざの上に乗せた。
「いいのいいの、サボりたかったし。それに、心配だったしさ。」
横になっているせいで、いつもと少し違って見える陸。
笑顔がいつもよりも優しく感じて、目が離せなくなるくらいに魅力的だった。