お犬様あらわる
たくさんたくさんキスをされて、いつの間にか体勢が
あいつが私に覆い被さっているような体勢になっていた。
そして、今の私にそんなことを考える余裕など残っているわけもなかった。
キスをされるたびに何も考えられず真っ白になっていく頭の中
熱がまた上がってきたのか熱くなる体
荒くなる息
かすむ視界の中で近すぎるあいつの顔がひどく頭にやきついた
寂しそうな、悲しそうな顔
なんでそんな顔するの……?
それが私が最後に思ったこと。
私は意識を手離した――