お犬様あらわる
あれま?また起きたらベッドにいるし。
「お前…。そんなに体弱かったんだな。」
「へぇ……?」
「あ~まだだめだな。熱が上がってきてる、」
おでこに当たる大きな手のひら。
冷たくて気持ちいい
「とにかく寝て汗かけ!!」
うんとぼーとしながらうなずくと
「よしいい子だ。」
まるで小さな子にするみたいに優しい仕草で頭を撫でられた。
「ちゃんと寝てるんだぞ。」
立ち上がり去っていく誰かの手を私はとっさに掴んだ。
「ちょっと向こうに行くだけだから、な?」
それでも嫌で首をふる。私はだだっ子みたいにずっと寝るまで手を離さなかった。
「無防備過ぎんだつうの。がぶっと襲って食べちまうぞ…。」