僕等のみち
「おい、ソラ」


「…ん?」


「いきなり黙るなよ」


海翔の言葉でハッと我に返った。


「ごめんっ。てかさ、海翔って身長伸びた?」


「あー、かも」


「やっぱり。なのに相変わらずほっそいねー」


「そうか?」


「うん。私よりちょっと背高いだけなのに…。細すぎるだろ!私が前のが良くない?」


海翔はそんなに体格がいいわけじゃない。


というか、もやしっ子だと思う。


そこら辺にいる女の子なんかよりも華奢で、指も細くスラッと長い。


「うっせぇ。お前よりはましだ。てかソラに前任せたら絶対こける」


「そんなことない!2人乗りで前乗ったことないけど!!」


「あぶねぇよ。絶対嫌」


海翔に全力で拒否され、1人で落ち込んでいると、堤防が見えてきた。





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