青空と太陽の下で


私の本名は
櫻木日向(サクラギヒナタ)。

だけど私はひなたなんて
男っぽい名前、嫌いだった。

だけど輝は…

「僕はひなたって名前好き!だってなんだかパワー湧いてくるよ」

5歳なりに私の名前を誉めてくれた。


私も5歳なりに輝の優しいところが大好きだった。




船が港に着いた。

中から人が出てきた。

男の人と…女の人…?


「ひな!」

男の人が私を呼んだ。

「…輝?」

背も高くなって今時の高校生
って感じの輝。
すごくかっこいい…

ドキドキが止まらない。
やだ何これ…


「ひ、久しぶり!」

緊張して声が震える。


「ひな、おっきくなったな!」

ははと笑う輝。

「あ、当たり前じゃん!」


私も笑う。

輝だ…ずっとずっと会いたかった。


…と隣りにいた女の子に
目をやった。

サラサラの長い髪に
細長い脚。

…?こんなに暑いのに
何故か長袖を着てる。

目も大きくて美少女…
だけど浮かない顔をしている。

「…ああこいつ、俺の彼女」

輝が言った。


彼女…?
輝、あの約束覚えてないのかな

そりゃそうだよね…


「そ、そうなんだ」

思わず目をそらす。

「じゃあまた後でな!」

輝が気まずそうに彼女さんと

私に背を向けた。


…何か言わないと…

気まずいまま別れたくないので
私は叫んだ。


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