-短編- 極上の甘さにほろ苦い刺激を
「……聖奈…」
耳元で囁く甘くて低い…あたしの名前を呼ぶ声。
「『せな』って…呼ばないでよ……!!」
思わず零斗を思い切り突き飛ばしてしまった。
もう…耐えられなくて。
「もう零斗がわかんない…!! 二川さんが好きなら二川さんと付き合えばいいじゃん!!」
あたしがそう言った瞬間、零斗の表情が凍り付いた。
「…本当にそう思ってるのか?」
「………当たり前…!!」
意地を張って思ってもいない事を言ってしまった事に気付く。
でも、引き返せない。