コンパスで作る地球
えっ?
そのランドセルの横で男の子が横になっていた。
「ちょッ!大丈夫?しっかり!大丈夫?」
とにかくその子の肩に手を置いて体をとことんゆすった。
「ヤメろ……」
そうしたらノソリと男の子がゆっくりと起き上がった。
「んっ?あれ?」
「あの…スミマセン。ちょっと休憩のつもりで横になっていただけなんですけど。」
時が止まった。あれ?顔から火が出る勢い。これじゃあ私はとんだお節介オバサンになるよ。私は何を変な心配したんだろうか?
「ゴメン…体調悪いのかと思って。こんな所でだらけてるものだから……ハハッ。」
「別にここは無心になれるんでよく来ますよ。」
「えっ?」
なんだろう?驚きと言うかまさかの発言だった。
「まずい事言いました?」
私はその男の子の隣に座った。草の上にそのまま制服で座る人もそういないだろうけど。
「君は何年生?」
「小5ですけど…」
きっと変な人として見られてるんだろうな。真子と同じでこの子も顔に出やすいタイプだから分かる。
だって眼鏡の奥の瞳がギョロギョロしているのだから。
「私もそう思う!ここにくると無心になれる。パワースポットみたいな感じ。」
「はぁ…なるほど。」