コンパスで作る地球
「それじゃ。また明日。」
今はもう三人で真子を駅に送った。あれから尾田兄弟はしっかりと解決した。そして尾田クンのお母さんが帰ってきて私たちも帰ることにした。
「私もここでいいよ。本当にここ地元で近いし。」
「えッ!ダメ!その…いや……ほら世の中物騒だし。」
「うん……そうだよ世の中物騒だし。」
尾田クンと吉野クンの様子が変。何だか二人ともモソモソして付き合いたてのカップルみたいな?
「何?二人とも不自然。」
尾田クンの家に居たときは二人とも普通だったのに。てか真子を送っているときも。
「もしかして二人きりになるのが嫌だとか?」
「……そんな訳じゃ。」
スタスタと歩きだす尾田クン。
逃げているわね?
「ちょっと!何か言うことがあるんでしょう?」
逃がす訳には行かないよ。だって将也クンのことを探すことが目的でもあったけれど本来ならこれが一番大切なんだから。
早く。と少し離れて尾田クンの背中を突く。目の前には吉野クン。尾田クンは振り向いて私にムリ!と顔を作る。
そんなジェスチャーは読み取れません。自分だって読み取れなかったくせに。
「その……治斗?」
「……何?」