コンパスで作る地球



「一言でいいんだよ。」


毎日じゃなくてもいい。ごくたまにでいいんだ。素直になる時が必要になる。


そんな時は今日みたいに届いてほしい。


そうすればずっと重たくて面倒だった荷物が逃げて今みたいに笑える。


「よっし!」


大きくガッツポーズをした私。


「これで真剣に勝負が出来るよね?……クックック。」


私が一位で漆原クンが二位で吉野クンが三位。全てはこの素晴らしい未来のためである。


「結局はテストなのかよ。」


「そう。結局はテスト。」


「言い放つんですねー。」


私と尾田クンの馬鹿げた会話にいつもみたいに吉野クンが笑う。その優しくて無邪気なほほ笑みが特徴だった。


「……良かった。もうバカな俺は今日でおしまいだ。」


視線の先は空。真っ黒の空には一番星が余計目立つ。あの輝く星。正確には燃えてるんだろうけどね。


きっと改めて男の友情が深まった二人を見届けてくれている。




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