コンパスで作る地球



席に付いて夏休みはどこに行くなんてスケジュールを立てているみんなの動きが止まる。


……嘘。クラスメイトの人たちは認識なしでしたか?逆にすごくないのかな?


「どうしよう?紗耶香!」


「真子もかいッ!」


呆れるほどノープランで大丈夫?大学ってそんなに簡単に行けないでしょう。


ポジティブすぎる真子はなるようになるとか言いそうだけど。


「私はもう夏期講座の申し込みしたから……」


夏休みは一番力付くし。遊んでる余裕はない。


「うそ?いつの間に!てかお祭りとか海とか……夏って色んな映画やるし。」


「真子。We are 受験生。」


「ガー----ン。」


高校は出来るだけ家から近い所を選んでレベルとか考えなかったけれど大学はやっぱり良い所に行かなきゃ。


「今年の夏は勉強だけ!」


自分に言い聞かせないとね。


「優等生の紗耶香チャン。」


「二度というなって言ったわよね?えっ?」


真子が仕返しに嫌味を言ってきた。優等生ってこれが普通でしょうが!


夏休みなんて1ヶ月とほんの少しだけ。夏はあっという間に過ぎるもの。



< 112 / 131 >

この作品をシェア

pagetop