コンパスで作る地球
そんな心配をするより自分の成績を心配しろ。将也や担任や治斗が口を揃えて言いそうだ。
てか何で俺の周りには冷たくて頭の良い奴ばかりなんだ?
そいつらにこれ以上馬鹿にされないように俺は毎日ここに通うんだけどね。
学校から更に3駅先にあるこの町。白色の建物には黒字で大きく「黄河文理塾」と書かれていた。
そう俺はこの夏に人生初の夏期講座に通うんだ。
今日がその記念すべき一日目だったりする。勉強をする環境なんて見たこともなければ見てみたくもない。
でも終業式担任に言われた忍耐力と集中力。これを付けるために頑張るんだ。
何故か燃えているんだ。
「えっと?第二教室の……」
塾の中にはいると目の前に夏期講座生徒の掲示板があって勝手にクラスわけがされていた。その表から自分の名前を探してみる。
「……ふぅーん。第二教室か。」
自分の名前を探す時他の名前も目に入ったけとやっぱり知り合いは居ないな。ここの地域の高校が多いのか。
すでに第二教室に近づくとガヤガヤと声が聞こえてきた。
教室に入ればクーラーが万々についていて外との温度差を感じると鳥肌が立つぐらいの寒さ。
前の黒板に今度は座席表が貼ってある。
「後ろから2番目の窓側か。」