コンパスで作る地球



「……。」


涼しい風が通った。ジリジリした太陽の熱と一瞬で消えた風。二つあわせて結局はなんてぬるい風なんだろう。


「……。」


尾田クンの前髪が揺れた。


「……AB型。」


「はぁッ?」


いやいや……AB型?


いきなりそんな真顔で言われましても……


何か?スコーンって。


ズコッていうまぬけな感じ。


「何で尾田クンにまで血液型のことを言われなきゃなんないのよ!」


「ぐははッ。何?ほかの奴にも言われたことあんの?てかやっぱりAB型かよ!」


なんだ?この今までとは違う地味だけどすっごいムカつく表情。


「はぁ?悪い?血液型で差別すんの?てか!血液型で本当の性格とか分かんないんだから!」


「またいつもみたいに理屈かよ?」


「理屈?偉そうなこと言わないでよ!今日の授業内容ほとんど理解できなかったくせに!」


「それがなんだよ!」


「バカだよね?ばーか!」


「バカだから夏期講座始めたんだよ!」



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