コンパスで作る地球



「もう!本当にありえないんだからね!」


{えッ?あーうん?}


家に帰ってご飯を食べてから自分の部屋で真子に電話をした。


エアコンをガンガンに掛けてるけど私の怒りは負けなかった。


「初日からね!何もかもが……」


{ちょっと!うわぁー―ッ!}


「えッ?もしもし真子?」


電話の先で真子の悲鳴と物音が聞こえた。


{ごめん。もしもし?}


「どうしたの?」


もしかして忙しいのかな?私は自分のベッドでうだうだしてるだけだからいいけど。


{今カルピスを作っててさ。}


「何でカルピス?」


{夏といえばカルピスでしょう。かき氷にかけると激ウマ。}


何でだろう?不思議だな。思い切り話がズレてんじゃんか。


「かき氷機なんて家に無いから……」


{はぁ?かき氷機ナシ?どうやって夏を乗り越えんのよ!}


「どうやってとか言われても……」


{……ん?}



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