コンパスで作る地球
「はぁ……」
一人になるとまた大きなため息が出てしまう。
頭を抱えて体重を背もたれに預けて上を見てみた。そうすると真っ白な天井が以外と近くにあった。
このままだとこの狭い部屋で煮詰まってしまうかも。
急に焦って次は机の上を見た。そうすればぐちゃぐちゃに教材が広がってた。
そうだった……目の前にあるのは頑張ると決めたはずの復習と予習だった。でも嫌気がさしている。
どうも俺はこの悪循環からは逃げられそうにないんだ。
まだ1日目だというのに。何故かシャーペンが見当たらないんだ。
どうなんだろうか?これは今更になるのかな?しかしどうして今更こんな気持ちになったんだろうか?あまりにも遅すぎた自分。でも明日にはもっと遅くなる自分。
可笑しなものでサッカーには向けられた真剣さも勉強となると全く別のこと。
そんな俺のためにまわりには頭が良い奴が沢山いたはずなのに……
将也も治斗も学年1の秀才だろ?
数学の答えなんかはすぐに教えてくれる。
でも今俺が知りたいのはこの教材の問い1でも問い2でもないんだ……
俺の頭でループしてるのは勉強とは関係なくて……むしろ夏期講座では教えてもらえない……
“バカでも分かる仲直りの仕方”なんだよ……