コンパスで作る地球
「お姉さんって…ツボがおかし……い?」
「大丈夫。それ友達にも言われちゃたから。ここ来る前にさ。ハハハハハッ。」
「……どの辺が。大丈夫なんですかね?」
ブイサインをしながら答える私に冷めた顔で尋ねる男の子。
“意味不明”その文字が顔に書いてあるっつうの。しかもかなりの太字で?
その時ちょうど後ろから誰かを呼ぶ声がした。
「おい!しょーやー!」
「あッ!就也兄だ。」
勢い良くランドセルを背負ったら声が聞こえる歩道に向かって走って行く男の子。
「えっ?しゅうや?…その人まさかお兄さん?」
きっとさっき話をしていたサッカー好きの?呆れるほど好きの?
ほんの少し見てみたいかも……
そんな思いから私も一緒に歩道の方へと階段を登る。
さっきより髪が飛び跳ねたのは気のせいなのか。後ろから背中を押すように風が吹いたせいなのか。