コンパスで作る地球



「聞いてる?」


「ゴメン…プリントに夢中だった。」


自習のプリントなんて真面目にやっている人はほとんどいなかった。


もしかしたら私とクラスの優等生とか学級委員ぐらい。


もしも自習のプリントが宿題になったら面倒だから一応だけど取り組んでいた。


「ヒドッ…!」


そんな私とは反対にコンパスも持ってこずプリントを裏にして机の上に放置してる私の親友。


彼女のその自由気ままな所は少し羨ましい。けど私には出来そうにない。


「私。真子が羨ましい…」


「はっ?何言ってんの紗耶香…?大丈夫なの?」


「フハハッ。」


「結構な年月を共にしてるけど全然……紗耶香のツボがわからん。」


真子はサバサバしてるけど全く意地悪ではない。こうやって真面目でつまらない私にも入学式に声をかけてくれたんだ。


真子とは奇跡なのか3年間もクラスが同じで席も前後。


「真子コンパスは?」


「持ち物だとか聞いてなかったしさ。いつそんな話を言ってた?」


やっぱりな。きっとそう答えが返ってくることは予想がついていたんだけど。



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