コンパスで作る地球
「俺の親父はさ…かなり若い頃に自立したらしくて自分にも人にも厳しいんだ。」
「そうなんだ。」
「……お前が迷っているこの瞬間。ライバルはもう一歩を踏み出している。」
尾田クンは忘れ物のタオルに目を落としながらそう言った。
「尾田クン…」
「その親父の言葉が頭に余儀ってさ。つい球技大会のことも焦っちゃって……俺のかってな考えでみんなや倉橋のこと巻き込んで。……本当に反省してる。」
申し訳なさそうに頭を下げた。
「私……」
「…。」
「バドミントンにする!」
「えっ?」
私の的外れな発言にびっくりして尾田クンは思わず下げていた頭を起こした。
「私。去年は真子と一緒に球技大会はバドミントンに出場したの。でも相手の人が強くてボロ負けしちゃったんだけど……」
「あのさ。倉橋?そのー意気なり何言ってんの?」
全く違う話をしている私を心配そうに見る尾田クン。だけど私は正気だよ。
「リベンジする……私。」
「リベンジ?」
「ごめんなさい……私も反省してるの。球技大会私も真剣に頑張りたい。」
「倉橋……」