コンパスで作る地球



「…どこだろう?」


やっと駅前のゲームセンターに到着した。けれど真子の姿がどうしても見当たらない。


人混みのせいで奥に行きたいけど中々進めない。


「嫌だよッ!」


そんなことに苦戦してると右にあるプリクラの場所から細いけど力強い声が聞こえた。


「真子……」


きっと真子だ。……これは絶対に真子の声だ!


すぐに確信した私は勢い任せで声のする方に向かった。


やっと見つけたのは普段から見慣れたボブの髪型をして制服を着ている真子。


「紗耶香…助けて!」


「えっ?」


やっと見つけた真子が最初何を言っているのか分からなかった。それで真子の隣を見たら初めて見る金髪と茶髪の男二人組が居る。


「何?もしかしてこの娘のお友達なの?だったら一緒にプリクラとろーうよ。」


そんな風に怪しく笑う金髪男。そして隣に居る茶髪の男が私の手首を掴んだ。


「離してッ!」


手首を掴まれた瞬間身体中がゾクッとして身の毛がたった。


気持ち悪い……


怖い……


どんどん近づいてくる二人。この二人を見ると不愉快になってくる。男のくせにピアスをしたりキラキラの指輪をしている。


こんな近寄りがたい空気にまわりにいる大人は助けてくれない。さっきからたくさんの人と目があっているけどみんなが目をそらして通り過ぎていく。


このゲームオタクやろー。


今だって目が合っていて近くに立っているくせにそのまま下をむいているバンダナ男。



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