コンパスで作る地球



店内の空気が一瞬で凍り付いた。最初私たちにあった注目はその男にむけられた。そして金髪男もその声を聞いて振り上げていた腕を止める。


声の持ち主はさっきまで一緒に居た尾田クンでも吉野クンでもない。だって二人は今頃部活で汗を書いてるはずだから。


だったら一体誰が?


振り向いた私は驚いた。てか私だけじゃなくて真子も金髪男も茶髪男も全員が声を上げた。


「「「「えー―ッ!」」」


これは現実?何で?何であんたが?どこから見ても可笑しな風景。


私の瞳に移るのは……


「バンダナ男……」


誰が見ても分かるけど弱そうなバンダナ男。さっきまで見て見ぬふりをしていた人。


それなのに急に大きな声を出して更にはもう二人のブ男に向かって立ち向かっている。


「こここ……この子たちは!なっ何も悪いこと…しっしてないっじゃないですか!それなのに!ひひひどい言葉を言ったり暴力をするなんて……」


そのバンダナ男はリュックサックを何度も背負い直しながら話す。噛み噛みでオロオロしてる。だけど一歩も後ろには下がらない。


「はぁ?何だよ!おっさん……いきなり出てきて関係ねえくせに!おいっ!」


真上から茶髪男と金髪男が突っ掛かる。


その時やっと奥の方から中年の店長らしき人とバイトらしき若い男の人たちが駆け寄ってきた。


「ちょっと!そこ…何やってるんですか?一度離れてください!」


「何だよ。また関係ない奴ばかり来やがって!」


[バンッ!]


怒りがmaxになったらしく茶髪男がそばにあった最新のプリクラ機を思い切り蹴った。


「ちょっと!何するんですか!警察呼びますよ!」


「警察……」


その言葉が気に触れたらしく二人の男は店内から早足で逃げるようにでていった。



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