コンパスで作る地球
「はぁ……」
その途端バンダナ男が腰を抜かしてその場にヒョロリと座り込んだ。
「ちょ…大丈夫ですか?」
真子が呼び掛けるけど応答なし。そんな様子を見ていると何だか私までも緊張の糸が切れてその場に倒れた。
「えぇー?紗耶香まで…ちょっと!どうすんのよ?」
どうすんのよ?って……
どーしましょー?
「ムリ…もうむー―りー―!」
ある日の夕方。学校の放課後。沢山の人が集まるゲームセンターで私の悲鳴が響いた。
その後店内の休憩室で私と真子と例のバンダナ男と店長で事象を聞かれて話した。
真子が最初に絡まれたことを言ったら店長さんも私たちに罪はないことを理解してくれたみたいで学校にも報告せずなんとか丸くすんだから安心した。
最後に安全の注意されてから私たち三人はお店の裏門から出させてもらった。
「ふぁーやっと出れた。」
一時間の話し合いでどっぷり疲れてしまった。
「あの……ありがとうございました。勇気を出して止めに来てくれて助かりました。」
真子は頭を深く下げてお礼を言っている。
「えっ?いえ。そそそそんな。ただ僕は……尊敬しましてあなたのことを。」
そう言いながら真っ直ぐと私の方をむくバンダナ男。
「えっ?私ですか?」
「はい……実はあの二人前からの常連でいつも悪さばかりしていたんです。だけど僕それをいつも注意することが出来なくて……」
「…。」
「だけど今日はあなたを見ていたら力が凄く湧いてきまして……エヘヘヘッ。」
「エヘ…ヘヘ。」
何でそんなに嬉しそうに話すのが分からない。
「あのこれ……」